「〇〇君はお父さんと隠岐に遊びに行くけど、自分はいつ行くの?」
おっと、約束を覚えていたか、まずいな。
梅雨明けからの猛暑、釣場は熱したフライパン状態、磯釣りなんてとんでもない。
なんとか中止にしようと説得するが効果なし。
子供と言えど、約束は反故にしたくは無い。
しゃあない、死ぬ気で行くか、ワイルドすぎるぜ。
隠岐海士の浜吉丸さんに相談。
7月31日の9時にチャーター便を出します、どうですか?
チャーター→釣り→フェリーの日帰り釣行。
釣り時間が短く、なんとか耐えられそう。
息子の初隠岐釣行が決まった。
31日 7時40分 荷物を積み込み家を出る。
途中、すき家にて朝食。
玉子かけごはん定食、これで200円か安いなぁ、外食産業も大変だ。
コンビニで昼食を買い、七類港へ。
岸壁には姫路からの釣人6名。
「おはようございます、朝から暑いですね」
ついつい出てしまう「暑い」今一番使う言葉。
向こうから、どてどて歩いてくるオッサン、ありゃ船長だ。
ここ数年、容姿と頭髪の劣化が激しい。
「また太った?」最近の挨拶はこれ。
海はベタ凪、心配していた息子の船酔い、これなら大丈夫。
10時前、大森島へ。
この釣場を選んだ理由は
スニーカーで釣りが出来る沖磯。
潮流が穏やかな浅瀬が有り、水遊びの出来る所。
西風が追い風になる所。
他の乗客に手伝ってもらい荷物を降ろす。
「ボク、たくさん釣れよ」
時計は10時15分 予想を超える暑さ、スポーツドリンクのガブ飲みからスタート。
マキエを入れ、海の様子を観察。
足下には大量のスズメダイ、フグ、潮は突込み潮、グレの姿は無し。
遠投~足下に仕掛けを入れるが、すぐにエサ取りの餌食。
なにも釣れないので、息子が退屈そうだ。
作戦変更、グレ狙いからスズメダイ釣りに。
ここ隠岐の島では、スズメダイを美味しい魚として珍重している。
以前、民宿でスズメダイを真鯛60cmと交換してもらった釣人もいる。
早速、サビキ仕掛けに変更、針にオキアミを付け群れの中に。
思った通り、パラパラと釣れだした、型も良い。
サシエを青虫に替えたところ、入れ食いになった。
いつもは砂浜、磯の海水浴は初めて、恐る恐る入って行く。
「気持ち良いか?」
「岩の間から何か出て来そうで怖い」
親に似て小心者だ。
13時過ぎ 迎えの渡船に乗り込む。
船長「釣れました?」
「20cmの巨グレとスズメ大漁」
船長にスズメダイの美味しい食べ方を聞く。
一番美味しいのは、せごし、次に塩焼き、そして南蛮漬。
ただし、卵を離してしまったスズメダイは価値が無い。
6〜7月が旬、もう遅いかな。
(翌日、唐揚げ、塩焼きで食べる。美味しいじゃないか、卵、白子も入っており、まだまだいけるね。また釣りに行こう。)
豊田港に帰港し、車で菱浦港へ送ってもらう。
船長にお礼、そして秋のリベンジを約束する。
フェリー待合所のトイレで、汗まみれの服を着替える。
後はフェリーでシャワーを浴びれば人間に戻れる。
「氷」の暖簾が目に入る、今年初のかき氷だ。
冷たい物の後で変だが、次に「日清シーフードヌードル」を二人で1個。
「うま、うま、うま〜」息子が吠える。
「これ、いつもと味が違うね」
「よく分かったな、隠岐の島特製だ」また嘘をついてしまった。
「今度は釣場で食べるか、もっと美味いぞ」
15時15分 フェリー「おき」菱浦港発
乗船後シャワーを浴びる予定だったが、睡魔の為、中止。
「遠くに見える島の名前は?」
「次はどこに泊まるの?」
「向こうに特別室があるよ」
「ウォシュレットのトイレがあるよ」
「シャワー室見つけた」
「石鯛の魚拓が掛けてあったよ」
「何回も船の中を廻ったから、船中の人が自分を見たよ」
うるさくて眠れない。
ラーメン屋にて夕食。 19時 帰宅。
暑くて、せわしい一日だった、ヘロヘロだ。
念願の隠岐釣行、これで父親の株が大幅アップと思いきや。
「グレもスズメダイも全部自分が釣ったよ、お父さんはフグ1匹、下手くそだよ」
なんちゅう事を、失礼なやつだ。
今度は秋の真鯛釣りに連れて行ってやる。
その時ちゃんと見てろよ、伝説の釣り師の姿を。
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